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インターンシッププログラム

インターンシッププログラムとは…

 

 インターンシッププログラムとは、前項までに紹介した事柄を踏まえたうえで、私たちチームしろくまが提唱する就労支援のプログラムである。一般に大学生等が就職する場合、就職活動の一環として実際に企業で一定期間働かせてもらうことが多い。この意義は、文部省等によると、以下のようにされている。

1) 大学等の教育サイド及び学生にとっての意義

〇 教育内容・方法の改善・充実

 アカデミックな教育研究と社会での実地の体験を結び付けることが可能となり、大学等における教育内容・方法の改善・充実につながる。また、学生の新たな学習意欲を喚起する契機となることも期待できる。

〇 高い職業意識の育成

 学生が自己の職業適性や将来設計について考える機会となり、主体的な職業選択や高い職業意識の育成が図られる。また、これにより、就職後の職場への適応力や定着率の向上にもつながる。

〇 自主性・独創性のある人材の育成

 企業等の現場において就業体験を積み、専門分野における高度な知識・技術に触れながら実務能力を高めることは、自主的に考え行動できる人材の育成にもつながる。 また、企業等の現場において独創的な技術やノウハウ等がもたらすダイナミズムを目の当たりにすることにより、21世紀に向けた新規産業の担い手となる独創性と未知の分野に挑戦する意欲を持った人材の育成にも資する。

2) 企業等における意義

〇 実践的な人材の育成

 インターンシップによって学生が得る成果は、就職後の企業等において実践的な能力として発揮されるものであり、インターンシップの普及は実社会への適応能力のより高い実践的な人材の育成につながる。

〇 大学等の教育への産業界等のニーズの反映

 インターンシップの実施を通じて大学等と連携を図ることにより、大学等に新たな産業分野の動向を踏まえた産業界等のニーズを伝えることができ、大学等の教育にこれを反映させていくことにつながる。

〇 企業等に対する理解の促進

 大学等と企業等の接点が増えることにより、相互の情報の発進・受信の促進につながり、企業等の実態について学生の理解を促す一つの契機になる。これについては、特に中小企業やベンチャー企業等にとって意義が大きいものと思われる。

これらを刑務所等にいる方々に広く解釈できると考える。したがって、以下の目的・概要を記し、少しでも多くの方に賛同してもらえると幸いである。

 

プログラムの目的

 

刑務所等を出所した後、なかなか職に就けないという実情を打開するため、刑務所の中にいるうちから現実の社会に出ていくことで、出所後の早期就労につなげることを目的とする。加えて、平成25年に日本財団および関西の企業7社が発足させた職親プロジェクト(犯罪白書,2014)の拡大を促すものでもある。

プログラムの概要

 

刑務所内にインターンシップ制度を設ける。このインターンシップ制度は、既存の職業訓練や資格・免許取得制度と連携し、所外*で行う。

インターンシップ受け入れ先企業は、協力雇用主制度の制度枠を広げ、活用する。また、受け入れ先となる協力雇用主企業・事業主を広く募り、充実させていくこともプロジェクトの一環である。企業・事業主のターゲットとしては、人手が足りていないといわれる土木・建設業、飲食業、農業、ホテル、運送業などや、刑務所内で取得できる資格・免許を有効利用できる業種を主に考えている。

 

*所外の活動については、刑事収容施設及び被収容者等の処遇 第87条 刑事施設外処遇に関する法律によるものとする。

引用・参考文献

・文部省・通商産業省・労働省 (1997). インターンシップ推進に当たっての基本的考え方 [http://www.jil.go.jp/jil/kisya/syokuan/970918_01_sy/970918_01_sy_kihon.html](2015.7.19閲覧)

・法務総合研究所 (2016). 平成26年度版犯罪白書第2編第4章第2節-4.就労支援

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