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再犯と就労 -2つの関係性-

 

 犯罪を犯した者は刑務所に入れられ、その中で課せられた刑期を過ごすこととなる。刑務所で罪を償い、刑期を過ごし終わった者は釈放され、社会へ戻る。しかし現状は、せっかく罪を償って社会に戻ったとしても、再び犯罪を犯して刑務所へ逆戻り・・・というケースも少なくないのである。

 下に示したのは再犯率のデータである。(*1)グラフから、出所後、有職者より無職者のほうが再犯率が著しく高いことが読み取れる。この原因としては様々なことが挙げられるが、金銭的に厳しいということが主な原因であるとは考えられないだろうか。職がない→金がない→生活を送っていけない。そんな状況に陥ってしまったとき、「どうせ自分はいつまでも犯罪者のレッテルを貼られたままだ。」そんな思いが浮かんでしまうのではないだろうか。そして、金のため、生活のため、もしくは自暴自棄になって・・・理由は様々だが、再び犯罪に手を染めてしまうこととなる。

 「職がないから、再び犯罪を犯してしまう。」視点を変えて捉えると、「職があれば、二度と犯罪を犯すことはない。」と、言い換えることが可能ではないか。つまり、再犯を防ぐには、出所者の就労支援が必要であり、それがうまくいくことが出所者が社会復帰を果たすために非常に重要なポイントとなるのである。

 また、就労支援と並行して、出所者がうまく再就職できる社会づくりも必要となる。今現在の社会は、前科者というだけでその人のすべてを敬遠しがちである。そのような社会ではいつまでも出所者は就労できない。そのため、出所者、前科者に対する社会の見方の改善も重要な課題であると考える。

 

*1 法務省 平成24年版 犯罪白書 第7編/第2章/第1節/2

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